昨日受注したインドのミキシング・マスタリングが始まりました。 今回はテクノ系の曲にインドの民族性を感じるような楽曲ですが、昨日も書きましたように非常に緻密な音作りが行なわれています。シンセサイザーで音階がある楽器だけでも、30トラック近くあり、よくこれほどの楽器を一緒に鳴らして、和声的な意味合いでの”音当たり”が発生しないものだと思います。ミキシングしていて感じたのは、彼らは正にオーケストラをこの楽曲の中で演出したようにも感じられ、テクノポップというジャンルに収まりきらないほどの知性も感じます。 インドの場合、英語圏として数えられるところもある故に、日本よりも西洋に考え方や感じ方が近いのではないかと思います。雰囲気や言葉(恐らくウルド語かな)などから、所謂西洋とは異なるところもありますが、十分に欧米でヒットが狙えるようなクォリティに楽曲を仕上げてきています。パッと聴きは完全なテクノなのですが、ミキシングで音を重ねて行くと、かなり奥深く考えられていることがわかり、片手間に作ったり、取り敢えず目先かっこいい曲を作ろうとしたのでも無いことがハッキリと感じられます。 また、こうして海の向こうからクライアントから依頼を受けているわけですが、先方もこうした距離の離れているスタジオに依頼することへ非常に慣れており、それなりに能力のあるプロダクションであることも分かります。 インドの場合は人口が多いこともあり、ドメスティックな音楽の売り方・作り方をするのかと思っていましたらかなり違うようで、ウルド語が使われるパキスタン辺りまでに及ぶ、西アジア全体がマーケットのようです。 そしてスタンスも素晴らしいです。1曲で何回リテイクがあったかわからないくらいでしたが、はじめての取り引きのときはこういうもので、相手側の好みや方向性を知るために1日以上掛かることもありますが、その正確なディレクションには恐れ入りました。 今回の制作も楽しめそうですし、恐らくは音源完成後にはミュージックビデオもリリースされることと思います。アジアでも何かしら、アワードがとれると良いなぁ・・・なんて思い始めました。
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