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執筆者の写真Furuya Hirotoshi

日本音響家協会・総会でのマスタリングセミナー

マスタリング・セミナー

日本音響家協会での総会という栄えある行事で、セミナーの講師を務めさせて頂きました。GENELEC Japanに協力していただき、最新のスピーカーもご提供して頂きました。既にエンドースが決定している、ドイツのKii Threeとともに、この同軸スピーカーをスタジオに入れたいと今日決心するほどに、素晴らしく音楽的なサウンドを生み出すスピーカーでした。2月のセミナーを担当させていただいた折にも、同スピーカーは聴かせて頂いていたのですが、今回更にルームがデットにチューニングされている環境で聴くことで、このスピーカーの持つポテンシャルというものを感じることが出来ました。低域も高域も、素直に反応してくれるため、200名の方々を前に安心して音作りを行うことが出来、感無量でした。こういうとき、少しでもなにかの調子が狂うと、中々エンジンが掛からないものですが、今回のマスタリング環境は、部屋とスピーカーのお陰ということもあり、盛況のうちに終えることが出来ました。 今回自ら話していて思ったこと、それは世界の舞台で競争するということは、メジャーリーガーと非常に酷似しているところがあるということです。 直球の160kmでストライクを取りに行き、三振を取れるか・・・若しくは場外ホームランを打たれて退場になるかのどちらかしか、僕たち世界で戦うプロデューサー・エンジニアには選択肢がありません。三振を取れれば最高の栄誉と約束された仕事が待っていますが、場外ホームランを打たれれば失職はするし、その後の様々なダメージも大きい・・・ そんな中でも、僕は最高の緊張感を持ってして、世界に挑み続けたいと思っています。その過酷な環境こそが、これまで僕を育て上げてきてくれましたし、数ヶ月周期で訪れる最先端の価値観の更新で、常に世界の一番先を垣間見ることも出来ています。 胃に穴が空くんじゃないかと思えるような日々の仕事も、慣れてくると”こんなものさ”という許容範囲の中での出来事として、捉えられるようになっていきます。これからも、音楽の世界でのメジャーリーガーとして、ずっとずっとこの環境を楽しみ、そして成長性ていきたいと思っています。そして日本の中では、ほとんど誰もやったことのないこの壮大なスケールのスタジオワークを、僕はもっと違うスケールで育て上げたいと思っています。 まだまだ大きくなる要素も、可能性も秘めたこの仕事は、僕にとって宝のような存在です。 素晴らしい環境をご用意くださり、ありがとうございました。

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