ここ1週間ほど挑戦してきました、各国からのマスタリング音源がOKテイクを出しつつあります。大変でしたが、大きく勉強する機会にもなりました。今回のアメリカ・ドイツ・日本のクライアントたちは、アビーロードやスターリングにもマスタリングを投げている、ツワモノ揃い。そう易易とOKが出ることがないことは分かっていましたが、それぞれに何十回とやり直しを行いながら、やっと形になってきた感じです。物凄くきつい仕事ですが、世界の第一線で自分の作る音で勝負するというこの感覚は、他のどんな物にも代え難いものがあり、完成へ向けて動き出すときには何にも勝る喜びを感じる瞬間でもあります。精神的にもワールドクラスでタフでなければならなく、余りに多くのNGと厳しい要求に相当に追い詰められますが、一流の人達との真剣勝負でしか身につかない、研ぎ澄まされた感性を更に磨き上げるチャンスでもあります。 そのマスタリングなのに、なぜSSLのデスクが写真として使われているかと言うと、今回は同じ時期に仕事の依頼があった3人から、作業が進むにつれてステムで作業するよう指示がありました。通常は2Mixで請け負うマスタリングも、高度化してくると2Mixの限界が見えてくるので、Submixの音源をパートごとに送ってもらい、より詳細なディテイルで楽曲を仕上げていきます。ハードギアでの音源制作を信条としている身としては、やはり最新鋭のアナログコンソールから出てくる音、またコンプレッサー・EQ共にプラグインでは決して作り上げられない、艷やかで奥深い音色は、最高に迫力ある奥深い音作りを可能とさせてくれると感じています。世界からの要求に沿うにはDAW内のみでの作業や、プラグインから発せられる音作りでは直ぐに限界が見えてしまいます。今回も何度か各箇所でプラグインを用いてみようと試みましたが、音痩せしてしまいどうにも使い物になりませんでした。最終段のリミッターのみプラグインを使用していますが、その他99%はハードギアでの制作という結果で、この1週間ほどの全行程を行っています。なので、SSLのが必要なんですね。elysiaが今回も最高に素晴らしい仕事をしてくれました。Subの音作りは、殆どelysiaで行っています。 OKが出始めて上り詰めていく感覚は、何にも勝る喜びです。
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