今日は一日掛けて、64chのシグナルチェインを完成させました。ここまでの数となると流石に凄いのですが、MagixをメインDAWとして用いる当スタジオなので、その安定度に対しては非常に気を使っています。非ProTools環境だから不安定などということはありえなく、きちんとした理論と理屈を熟知していればHDXでなくても十分に64chの動作を保証することができます。今回は384kHzまで対応しているMarian MADI PCIeカード、RMEの同じくPCIe Raydat、そして更にRMEのDigiface Danteをインターフェイスとして採用しました。世界最先端の音質を求めれば、その殆どはドイツに行き着いてしまいます。やはり音楽の歴史という意味合いからすると、彼らの感性というものは何にも勝るものがあり、アメリカでは表現しきれない微細な音楽性というものを持ち合わせています。そしてAD/DAコンバーターには、FerrofishのA32Danteを導入し、クラシック音楽のレコーディングにピッタリな環境で、ロックやジャズにも対応していこうという予定でいます。
SSL XL-DESKはかなり自由にルーティングが可能な最新鋭機の一つです。api500シリーズのモジュールをラッキングできると共に、インサートポイントについても非常に強力なパフォーマンスを持ち合わせています。今回の64chに対応したシグナルチェインを構成したことで、XL DESKの持つ40ch分のサミング機能を超えてくることになり、今後SPL Neosを導入していこうという動きにもはずみが付きます。
加えてA32Dante以外には、SPL Madisonも2台待ち構えており、MADIをベースとした大掛かりなシグナルチェインを組むのに一役買っています。MadisonはSPLは本社で聴く機会があり、内部電圧を高圧化することで発生するスーパークリーンなサウンドにえらく心を打たれ、昨年から使用している機材です。
こうして見ると、何もかもがドイツ製というシグナルチェインですが、やはりそこには徹底した音の美しさを追求しようという姿勢から生まれた哲学が根底にあります。どんなに激しいロックであっても、必ず美しさというものは表現できるでしょうし、音楽の本場ではそうしたサウンドが日常的に作られています。音に対する哲学を用い、こうした機材の選定や仕組み作りというものに対しても、積極的に世界で経験した音作りのノウハウを取り入れています。
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