Kii Audioのエンドーサーが日本初でモニタースピーカーを導入。国際公式エンドーサーとして、Kii Threeの魅力に迫る。
遂にKii Audioからリリースされている、Kii Threeをコントローラーと共に導入できました。昨年クリスCEOのベルギッシュ・グラハートバッハの別荘で、彼から直々にこのスピーカーを聴かせてもらい、一発で導入を決めたという機材です。ありとあらゆる最先端技術を投入し、6つのツイーターから発せられる音は、恐らく現在出回っているスピーカーの中で最も先進の哲学を持ち、尚且音楽性においても3大Bを生み出したドイツならではの芸術性を持ち合わせているはずです。2台のステレオスピーカーで1500wというモンスターですが、もちろんスタジオでそんな音量は必要なく(特に自分の場合は、大音量では絶対に聴かない)、そのパワーが織りなす余裕のサウンドが、スタジオワークをより一層エキサイティングなものにしてくれると共に、一つ一つの音そのものが精密故に、そもそも大音量を必要としないとも言えるかもしれません。精密でありながら、計測機械のような音質ではなく、非常に音楽的です。しかしマイクポジションやレコーディングされた部屋の広さ、その環境までをも明確に映し出す繊細さを持ち合わせていながら、巨大なヘッドルームを持つという、モニタースピーカーとして必要とされる幾つもの要素を、たった1台で賄えてしまう多彩な機材でもあります。
MUTECのエンドーサーならではのノウ・ハウ。
モンスターとも言える機材が世界各国からリリースされる中(特にドイツ勢の優秀さが目立ちます)、こうした機材が日本において一定の地位を得ていないことに対して非常に危惧を感じてもいます。例えばKii ThreeとMUTECを合わせ技として用いた場合、そのポテンシャルたるや国内では決して聴いたことのないクオリティで楽曲を再生できます。このカップリングは現代における最先端中の最先端と形容できますが、こういう事例というものが殆どないことに対して、何らかの策が必要ではないかと思えてなりません。
例えば、自分が本国と直接エンドーサー契約をしている8社からなるメーカーたちは、日本では殆ど無名と言っても過言ではありません。しかし、欧米のプロデューサーやエンジニアたちからは、
『どうやったらエンドーサーとして指名されるのか?』
という質問が日々届きます。例えば、ポール・マッカートニーのレコーディングを担当するマーティン・メレニーからも、
『SPL、elysiaからのサポートを受けるにはどうしたら良いのか?』
という相談がFacebook経由で来たこともありました。SPL、elysiaといえば、現在マスタリングチェインにおける最高峰として、殆の一流エンジニアがスタジオに導入するような地位にありながら、日本では殆無名という現状を踏まえ、様々な物事の考え方、及び捉え方というものに対して、根本的な是正というものが必要なのではないかとも思っています。
実際に私自身が今年度ヨーロッパでアワードを取れた楽曲、並びにワールドカップの独における公式曲でも、現在考えられる最先端機材を存分に投入し欧米での評価を獲得しています。こうした実績を踏まえながら、より先進性が強く、現代のスタンダードとなる機材をご紹介していけたらとも思っています。
その一派に入るであろうKii Threeを今回ご紹介させて頂きましたので、少し国内でのバックグラウンドというものも併せて少しお話をさせて頂きました。
今後このスピーカーを用い、世界最先端の哲学を感じながら楽曲を仕上げて行くのがとても楽しみです。
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